532万ドルの国際ロマンス詐欺で台湾市民を起訴

台中検察、米国市民を狙った巧妙な越境詐欺で2人を起訴

台湾・台中発 – 台湾人2名が主導した大規模な国境を跨いだ「ロマンス詐欺」事件で起訴となり、台中地方検察庁が起訴内容を発表した。この詐欺は、3人の米国人を標的とし、532万米ドルを超える損失をもたらした。

検察によると、36歳の女性、廖（リャオ）が詐欺グループの首謀者とされている。彼女は、2023年に不正な利益の回収を管理する人物として、39歳の黄（ファン）を勧誘した。

このスキームでは、廖（リャオ）が他人のパスポートを使って、米国の銀行にビジネス口座を開設。その後、詐欺投資に誘い込まれた被害者から資金を受け取るために、これらの口座が利用された。

被害者は当初少額の投資をさせられた後、銀行送金や米国に拠点を置く共犯者である肖（シャオ）と孫（スン）への手渡しによって、より多額の資金を移すよう説得された。彼らの事件は、米国の当局が取り扱っている。

詐欺で得られた資金は、廖（リャオ）の母親の口座への預金、高級品の購入など、様々な方法でマネーロンダリングされたとされている。これには、スイス製の腕時計、8カラットのダイヤモンドリング、ビットコインとテザーの暗号通貨、レクサスの車などが含まれていた。

検察官は、詐欺による総損失額は532万米ドル、当時の為替レートでおよそ1億7000万台湾ドルに相当すると述べた。

廖（リャオ）は1月24日、台湾に帰国した際、桃園国際空港で逮捕された。これは、米国土安全保障捜査局（HSI）が提供した証拠に基づいており、台湾刑事局国際刑事課（ICAD）と連携した捜査によるものだ。

3月には、HSIチームが台中地方検察庁を訪問し、犯罪に関する相互法的支援に関する台湾・米国の協定の下での協力体制を実証した。

さらなる協力により、台中地方検察庁の検察官とICADの職員は4月にロサンゼルスとナッシュビルを訪問し、詐欺グループの他のメンバーが逮捕・起訴された。この取り組みは、台湾高等検察庁によって支援された。

特筆すべきは、台中地方検察庁の張富鈞（チャン・フーチュン）がナッシュビルで孫（スン）を尋問したことである。これは、2002年3月に法的支援条約が締結されて以来、台湾の検察官が枠組みの下で直接証人を尋問するために米国に渡航した最初の事例となった。

廖（リャオ）と黄（ファン）は、台湾の組織犯罪対策法、マネーロンダリング防止法、パスポート法、刑法に基づき、詐欺罪とマネーロンダリング罪など複数の罪で起訴された。

検察は、廖（リャオ）に対して10年の懲役刑、黄（ファン）に対して5年の懲役刑を求刑している。

本件に関連して押収された資産は、台湾法に基づき、法務省行政執行署台中分局がオークションにかける予定であり、その収益は米国当局に返還されることになっている。