太平島：南シナ海のヤドカリの楽園

新たな研究により、台湾が支配する島の豊かな生物多様性と、ヤドカリの繁殖が明らかになった。

台北、5月3日 – 国立海洋研究院（NAMR）の最近の研究により、台湾が実効支配する太平島は、南シナ海における陸生ヤドカリの主要な生息地であることが明らかになりました。

NAMRは金曜日にプレスリリースを発表し、2024年に太平島で行われた研究の詳細を明らかにしました。研究者たちは、乾季（3月）と雨季（7月）の両方でヤドカリの標本を収集しました。

DNA分析の結果、太平島には3種の主要な陸生ヤドカリ種が確認されました。具体的には、Coenobita rugosus（イワツノヤドカリ）、Coenobita brevimanus（オカヤドカリ）、そしてCoenobita perlatus（ムラサキオカヤドカリ）であり、C. rugosusが最も優勢であることが判明しました。

この研究は、島のヤドカリの90％以上が、陸貝の貝殻や人為的なゴミではなく、天然の巻貝の貝殻、特にタマキビの貝殻を住処としていることを示しました。これは、巻貝資源が豊富であり、カニにとって活気のある自然環境を作り出していることを示唆しています。

NAMRは、2024年の国際的な学者の報告によると、世界で知られている17種の陸生ヤドカリのうち10種が、人間のゴミをシェルターとして利用していると指摘しました。

国立嘉義大学生物資源学科の邱郁文教授は、ヤドカリが利用できる巻貝の貝殻が、近年、過剰漁獲により減少していると説明しました。そのため、一部のヤドカリは、アフリカマイマイの貝殻や廃棄物などを避難場所として利用するようになり、これはあまり理想的ではありません。

対照的に、太平島には巻貝の貝殻が豊富に存在するため、サンプル採取された約600匹のC. rugosusのうち、81％が頑丈なタマキビの貝殻を利用し、さらに13％が他の巻貝の貝殻を利用していました。陸貝の貝殻を利用したのはわずか6％で、人間のゴミを利用しているヤドカリは発見されませんでした。これは、島の豊かな自然資源を示しています。

NAMRの陳璋玲院長は、台湾本土からの距離があるため、2021年末に太平島に研究ステーションを設立したと述べています。台湾の海洋委員会からの資金提供と、沿岸警備隊の支援を受け、NAMRは重要な生息地研究を実施しています。

NAMRはまた、その研究結果を国内外の学者と共有し、太平島ステーションを南シナ海における海洋生物研究の中心として確立することを目指しています。